思い出
先週末に母親と紅葉を見に山に行ってきた。
行く途中で見た民家のもみじのほうがきれいだったりして。
帰りに「まんじゅう買ってく?」と言うので、
温泉街の饅頭屋に寄った。
私はちっとも知らなかったが母親がおぼろげに店を
覚えていた。たばこ屋くらいの間口しかない小さい店だ。
ここの温泉でまんじゅうと言ったらここが有名で、
この店もまんじゅうしか売ってないそうだ。
その後も母親のおぼろげなナビで山を下って行った。
紅葉した林の中の道を一直線に走る、なんとも
気持ちのいい道だった。
父と来るときにいつも通ってた道だと教えられた。
そう言えば私も違う季節に通った覚えがある。
父が景色のいい道を選んで運転していたのだろう。
これと言った娯楽もなくお金もないので、
昔はよくドライブに来ていたのかもしれない。
自分の子供の頃の思い出とは別に、母が父に
連れてきてもらっていた思い出があるのだろう。
父の役目だった運転手役を自分がするように
なったのはなんだか物悲しい。
家に着いてから饅頭を食べた、2色とも。
実は黒糖の茶色のほうが塩気があって甘くない。
この饅頭はおばあちゃんが報恩講に行くと、
かならずお土産に買ってきてくれていたそうだ。
全く知らなかった。報恩講に行ってたのか。
私の知らない母の思い出がたくさんある。
最近はそんな話をちらっとすることがある。
それはたぶん私が覚えておくしかないんだろう。
紅葉と一緒に母を写真に撮ってあげたとき、
母の顔がだいぶ老けたと思った。
最近自分の老い以上に母の老いを感じる。
それは別れの時が遠い将来ではないことを
嫌でも実感してしまう。
秋はそんなセンチメンタルな季節だ。
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